前回の 18-19レアル・マドリー序盤戦績その2~失速の原因~ に続いてレアル・マドリーの序盤戦の流れを見ていく。
レアル・マドリーのシステム
右SBカルバハルは左足負傷でこの間の出場はなく、この時期も大きなシステム変更はなし。前線にはイスコが復帰し、これまでは途中出場の多かったルーカス・バスケスがこの時期から先発陣に加わった。
10月 クラシコで敗れロペテギ監督解任
9節 ●1-2レバンテ マルセロ
CL2 ○2-1プルゼニ ベンゼマ、マルセロ
10節 ●1-5バルセロナ マルセロ
9月末から4戦連続で勝ちがなく2連敗中のマドリー。10月の代表ウィークを挟んで悪い流れを断ち切りたいところだったが、結局その後も流れは変わらず。
9節レバンテ戦では、前線のベイル、ベンゼマが8節アラベス戦での負傷から回復できずにベンチスタート。代役として起用されたのは、ルーカス・バスケスと今季加入したマリアーノ・ディアスだったが、状況を変えるだけの存在感を放つことは当然できず。
終盤に左サイドバックのマルセロが得点したが、それまでの連続無得点時間でクラブワーストを記録し、マドリー史上においても歴史的な記録を作ってしまった。
そもそも得点以前に序盤に2失点していることは問題だともいえるが、そこから追い上げるのがビッグクラブの強さとも言える。しかしトータル33本(枠内12)ものシュートを打ち込みながらも追いつくことさえできなかった。
レバンテ戦での33本のシュート。左右からミドル、PA内からと打ち込んでも得点は1に留まったWhoScored.com
続くCL3節のプルゼニ戦では僅差ながら勝利し、グループステージ突破へ向けての必須の勝ち点3は奪取。そして前半戦の山場となるクラシコを迎える。
ところがご存知の通り、首位バルセロナに対して1-5と大量失点での惨敗を喫してしまう。こうしてロペテギ監督は最後のチャンスも生かせず。
以前から立ち直れないマドリーの状況に対し、フレン・ロペテギ監督の解任報道はあったが、フロレンティーノ・ペレス会長は静観していた。しかしこのクラシコでの惨敗をもってついに解任へ動いた。
後任にはレアル・マドリーの・カスティージャを2016年から指揮し、選手時代には前監督ジダンともプレーしていたサンティアゴ・ソラーリが暫定監督として就任した。
大きな変革は見られないまま終了
結局の所、ロペテギ監督はジダン監督時代からクラブを一歩先に進めることはできなかった。長い間エースとして君臨してきたクリスティアーノ・ロナウドの後釜も得られず、コバチッチの代役としてエクトル・エレーラの獲得を望んだがそれも叶わず、大きな変革なしにシーズンイン。
それにも関わらず開幕から順調なスタートを切ったが、怪我人が出始めると徐々に歯車が噛み合わなくなり、この時期になっても解決策を見つけることはできなかった。当初はアンダー世代からスペイン代表監督として指揮してきた経験を生かし、スペイン人中心の組織的なスタイルを取り入れてくる期待もしたが、それも見られず。
ジダン監督退任に巻き込まれる形でスペイン代表監督の職を失い、マドリーの監督としてもハーフシーズン持たないという残念な結果に終わってしまった。
11月 ソラーリ監督就任から4連勝
CdR ○4-0メリージャ
11節 ○2-0バジャドリー
CL4 ○5-0プルゼニ
12節 ○4-2セルタ
難しい時期の監督就任となったソラーリ監督だが、コパ・デル・レイ初戦での快勝を契機にそこから4連勝を飾り、ひとまずは悪い流れを断ち切った。これによって、セルタ戦後の11月13日に正式監督就任が決まっている。
とはいってもまだまだ安定した試合運びをしているとは言えない。例えば11節バジャドリー戦では決定機を決めきれず終盤まで0-0の時間は続き、途中投入のヴィニシウス・ジュニオールの左サイドからの仕掛けによってやっと2得点が生まれた。
12節セルタ戦ではベンゼマが自らドリブルで仕掛け2ゴールと活躍し、チームも4得点を挙げたが、守備では綻びも見られた。
特にセバージョスは守備の軽さが失点に直接結びついており、負傷者の代役を十分にはこなせていない。ジダン監督在籍時は、負傷者がいても出番が回ってこないことを嘆いていたが、この出来では信頼を得るのは難しいか。
今後は代表ウィークを挟んでCLのグループステージ突破がかかるローマ戦、そして年末のクラブワールドカップへ向けて過密日程が続いていくことになる。
引き続きカルバハルは負傷離脱中。それに加えて左SBマルセロとCBヴァランも負傷し、昨季のレギュラーメンバー3人が不在の状態に。さらに12節セルタではカゼミーロとナチョも負傷と守備陣に離脱者が相次いだ。
そこで起用されたのがカスティージャから昇格したセルヒオ・レギロンだ。コパ・デル・レイのメリージャ戦から4試合連続で先発しソラーリ監督の期待に応えてみせた。しかしながらセルタ戦でレギロンまでもが負傷する事態となってしまった。
主力選手ではアセンシオ、そしてイスコがソラーリ監督となってから出番を減らしている。スペイン代表でもある2人だが、チームを引っ張るだけの存在感は見せられていないのが現状だ。
ロナウド級の仕事ができれば守備はある程度免除されるにせよ、それができなければルーカス・バスケスのように前線の選手にも攻守に運動量が当然必要となる。
18-19 レアル・マドリーの移籍・戦績・システム情報