8月の開幕からすでに10試合を終えたスペイン、ラ・リーガ。ここではその順位と共に今季の監督人事を見ながら、どのクラブがスタートダッシュに成功、あるいは失敗したかを分析していく。
開幕前の監督についてはこちらに書いてます。
18-19開幕前 ラ・リーガの監督人事
まずは10試合の順位がこちら。
昨季王者のバルベルデ率いるバルセロナが首位に立つ
上位チームが圧倒的な戦いをしていないこともあって、比較的混戦となっている今季序盤。
とはいっても、昨シーズンの王者バルセロナが2年目のエルネスト・バルベルデ監督体制で首位に立った。勝ちきれない試合もあり、6勝3分1敗と絶好のスタートとは言えないながらも、得点数は他を突き放している。メッシ、スアレスという攻撃の核がともに7G、さらにコウチーニョが4G、デンベレが3Gと2人に続くアタッカー陣も得点に絡んだ。
2位につけたのははなんとアラベスだ。昨年末アベラルド・フェルナンデス監督が途中就任し、最下位付近を漂っていたチームを最終的に14位まで浮上させたが、今季もその勢いを維持している。
開幕戦こそバルセロナに敗れたが、その試合でも粘りのある守備で健闘していたのが印象に残った。その後も僅差の勝負を制し、レアル・マドリーにも勝利するなど連勝中だ。
3位はジローナからパブロ・マチン監督を引き抜いたセビージャ。格上にも果敢に挑む352の攻撃的サッカーで賑わせたジローナ時代を継続し、ヨーロッパリーグと並行しながらもしっかり上位につけた。
1節ラージョ戦の4-1、5節レバンテ戦の6-2、6節レアル・マドリー戦での3-0など攻撃陣が機能し、得点数はバルセロナに次ぐ2位。9節バルサ戦では果敢に打ち合い2-4と返り討ちにあったが、ヨーロッパリーグでは3試合で12得点と、格下相手ながら圧倒し就任1年目の序盤から自身のスタイルを表現できているのが印象的だ。
ミランから新加入のアンドレ・シウバの7Gを筆頭に、ウィサム・ベン・イェデルが5G、パブロ・サラビアが4Gと前線がしっかり得点を奪えていることも大きい
4位はディエゴ・シメオネ監督率いるアトレティコ。今季も攻撃陣をさらに強化したが、ここまでは際立ったパフォーマンスは見せられていない。それでもリーガ最小の5失点と守備は相変わらず強固で、それこそがブレないアトレティコの強さの最大の要因なのは変わらない。
期待されながらも苦しむレアル・マドリーはロペテギを解任
昨シーズンは上位に入りながらも、今季はまだ波に乗れていないチームも多い。
最大の出来事といえば常勝レアル・マドリーの不調だろう。CL3シーズン連続優勝の偉業を達成したジネディーヌ・ジダンが退任し、スペイン代表監督であったにも関わらず、W杯直前にマドリーの新監督に就任したのがフレン・ロペテギ監督だ。
ラ・リーガ開幕前のスペイン・スーパーカップではアトレティコに敗れたものの、開幕から3連勝とここまでは問題ないかのように思えた。
しかしながらセビージャに0-3で敗れると、その後は勝てなくなりCLを含めて3連敗を喫する。ダメ押しはクラシコでバルセロナ戦。1-5で大敗を喫し10節を終了し4勝2分4敗、ここでついに解任された。
後任には現役時代マドリーにも在籍し、現在マドリーのカスティージャ(Bチーム)を率いるサンティアゴ・ソラーリが暫定的に就任。監督交代だけで乗り切れる状況ではないように思えるが他に策もなく、果たしてフロレンティーノ・ペレス会長はこれからどう動いていくのだろうか。
昨シーズンの4位バレンシア、5位ビジャレアル、6位ベティスも下位に低迷している。3チームともリーガでの得点がワーストクラスと共通している。調子が悪い中で、欧州カップ戦と並行してどうバランスを取って戦い抜くか。これは中堅クラブが陥りやすい問題点とも言える。
昇格クラブのウエスカは早くもレオ・フランコ監督を交代
昇格3クラブの成績もみていこう。ラージョとウエスカの2チームは19.20位と共に下位に沈んでいる。失点も抜きん出て多く、8節を終えて1勝2分5敗のウエスカは早くもレオ・フランコ監督を解任。後任として今季コルドバの監督に就任していながら、クラブの財政難もあって辞任していたフランシスコ・ロドリゲス監督が就任している。
一方で、残りの昇格組バジャドリーは、セルヒオ・ゴンサレス監督に率いられ6位と好調な滑り出しを切った。元ブラジル代表のロナウドがオーナーとなったことでも有名だが、セルヒオ監督もデポルティボ時代は中盤で体を張ったプレーで活躍し、ヨーロッパで旋風を起こしたスーペルデポルの一員である。
成績をみると得点こそ少ないものの失点はアトレティコに次ぐ2位と、アラベス同様に僅差の勝負を落とさず上位に位置している。とはいってもまだ下と勝ち点差に開きもなく気が緩み負け始めるとどう転ぶかわからないのも確かか。