今回はドイツ・ブンデスリーガの序盤戦を振り返る。
バイエルンの独走態勢は止められず
リーグ4連覇を目指すバイエルンが今季も開幕8連勝と圧倒的な強さを見せつけ、2位以下を引き離した今季のブンデスリーガ序盤戦。ヴォルフスブルク、レバークーゼン、ドルトムントといったライバルとの直接対決でも圧勝し、すでに盤石の体制を作り上げている。
トゥヘル新監督のもとで復活したドルトムント
最終的には7位まで持ち直したが、下位にさまよう時期もあった昨季のドルトムント。その結果を受けて、近年のクラブ躍進の立役者であるユルゲン・クロップが辞任し、今季からトーマス・トゥヘル監督が就任した。クロップ時代の特徴であるプレッシング色の強さは残しつつも、奪ってからの組み立てが巧みになり、それと共に得点力が向上。
前線のピエール・オーバメヤン、ヘンリク・ムヒタリアン、マルコ・ロイス、香川真司らの連動性の高まりに加え、イルカイ・ギュンドアンやユリアン・ヴァイグルらの中盤からの組み立てによるサポートが機能。これが見事にハマり、開幕5連勝で一時は首位に立つなど好調なスタートを切った。
迎えた7節バイエルンとの首位対決では1-5と惨敗し、各の違いを見せつけられたのの、現時点で2位につけており、昨季からの立て直しはひとまず成功したといってよいだろう。とはいってもまだリーグ戦は始まったばかりで、相手に研究される今後もこの調子を維持できるかどうかがトゥヘル監督のさらなる手腕の見せ所となってくる。調子の上がらないCL組3チーム
一方でチャンピオンズリーグ出場組のヴォルフスブルク(昨季2位)、ボルシアMG(3位)、レバークーゼン(4位)は振るわない。ヴォルフスブルクは頼みのケビン・デ・ブライネが開幕後にマンチェスター・シティに引きぬかれ、シャルケからドラクスラーを獲得はしたものの昨季ほどの勢いは感じられず。
開幕から5連敗の最下位と最悪の出だしとなってしまったのはボルシアMG。その後は3連勝と持ち直した感はあるが、CLではユベントス、マンチェスターC、セビージャと同組に入ったことも考えるとこれからも厳しい状態は続きそうだ。
レバークーゼンは序盤で好調なバイエルンとドルトムントと当たり敗北したこともあり中位に留まっている。このチームの場合、得点数が伸びていないことが単純な数字からも見て取れる要因だ。FWソン・フンミンが抜け、残ったシュテファン・キースリンクが起用されるも、ここまで1得点と結果は残せていない。となると、リーグ戦開幕後に獲得したハビエル・エルナンデスがチームに馴染むまでは我慢の時期と見るべきだろうか。
ブンデス得点・アシストランキング
得点ランキングでトップに立つのは早くも二桁得点とゴールを量産するバイエルンのロベルト・レバンドフスキだ。PKによる得点なしの12得点で、6節ヴォルフスブルク戦ではわずか10分足らずで5得点を奪うなど、驚異的な能力を発揮しチームを牽引する。
2位は好調ドルトムントのエース、ピエール・エメリク・オーバメヤンが、3位にはバイエルンのトーマス・ミュラーがランクイン。これらの3選手は昨季も得点ランキング上位にいた選手であり、今季も順調なスタートを切っている。
アシスト部門もバイエルンからはドグラス・コスタ、マリオ・ゲッツェが、ドルトムントからはヘンリク・ムヒタリアン、マティアス・ギンター、香川真司がランクイン。3位の選手達はまだ3アシストではあるものの、この2チームで上位をほぼ独占している。
2強の独占状態の中、他クラブの選手で健闘しているのがボルシアMGのラファエルだ。得点こそ1ゴールに留まっているが、チームが不振の中で唯一ランクインした。