グアルディオラ「これまでに誰も4連覇を成し遂げたことはない。それができれば大きな一歩だと思う。だが、協力なライバルがいる。ヴォルフスブルクだけでなく、レヴァークーゼン、ボルシア・メンヒェングラッドバッハ、ボルシア・ドルトムント、シャルケ…。あと、このチームでチャンピオンズリーグ準決勝までは勝ち上がりたい。その後のことは様子を見ていかないとね」バイエルン公式昨季は4試合を残し、圧倒的な強さでブンデスリーガ3連覇を飾ったペップバイエルン。しかしながらカップ戦では準決勝でドルトムントにPK戦の末に敗北。さらに本命のチャンピオンズリーグでもバルセロナに負けてベスト4に終わり、残念ながら3冠達成とはならなかった。
契約が今季終了までとなっているペップ・グアルディオラ監督はもちろん今季も全タイトルの獲得が求められることになる。もちろんそう簡単なことではないが、ドイツの頂点に立つバイエルンにとは常にそれが求められるクラブなのだ。
経験豊富な主力の移籍
そこでまず最初の移籍となったのがシュツットガルトのGKスベン・ウルライヒの獲得だった。 国内リーグで100試合以上出場という実績は、正GKであるノイアーの控えとしては十分と言えるだろう。その一方で出場機会を求めたGKホセ・マヌエル・レイナのナポリへ移ることになった。これらの交渉は移籍市場解禁前の6月中に合意に至っており、早い段階で動向が決まっていた。元から豊富な戦力を誇るバイエルンだが、今季は既存の主力選手に大きな動きがあった。それがバイエルンの下部組織出身で、トップチームで13シーズンを戦ってきたMFバスティアン・シュバインシュタイガーのマンチェスター・ユナイテッドへの移籍である。
昨季は怪我で先発出場が15試合にとどまるなど決して順調なシーズンではなかったが、副キャプテンとして中盤で安定感をもたらす選手として今季も主力メンバーとして戦うことは確実だった。それでも今季終了までの契約だった本人が移籍を希望したこともあり、快く送り出したようだ。
さらに8月末に、昨季までレギュラーCBとして出場していたブラジル代表DFダンテをフリーでヴォルフスブルクへ放出。これによってCBの選手層が薄くなるが、より多くの出場機会を求める本人の希望もあり、シュバインシュタイガーと同様に移籍を成立させた。
シュバインシュタイガーの代役とサイドアタッカーの補強
これらチームを去った選手達の一方で当然ながらそれに劣らぬ補強にも動いている。それが昨季ユベントスの国内リーグ優勝とCL準優勝に大きく貢献したMFアルトゥーロ・ビダルの獲得である。現在のバイエルンが行っているパス主体のサッカーからすると異なるプレースタイルが特徴の選手だが、本人は「スタイルを変える気はない」と発言しており、これをペップがどのようにうまく噛み合わせるのかが序盤の注目ポイントとなってくる。抜群の存在感こそ健在ながら、年齢を重ね故障で欠場することの多くなってきたロッベンとリベリの両サイドアタッカー。それを補う、または後継者として獲得したのがシャフタールのブラジル代表MFダグラス・コスタだ。プレシーズンマッチ、そしてリーグ序盤戦からサイドで切れのあるドリブルを見せており、今後もこのパフォーマンスができれば定位置確保も見えてくる。
移籍市場終盤の8月末には、ユベントスからU21フランス代表FWキングスレイ・コマンをローンで獲得。この契約には買い取りオプションも付いており、今後のバイエルンを担う選手としての期待も感じられる。PSGから昨季ユベントスに移ったコマンだが、本人の希望もあり1年でバイエルンへ移ることになった。ペップはこの逸材をどのように起用していくのだろうか。
さらにローンからの復帰組としてシャルケからDFヤン・キルヒホフ、シュツットガルトからMFジョシュア・キミッヒの2人が加わった。レベルの高いバイエルンのレギュラー争いにどこまで食らいつけるだろうか。
最後にその他の移籍状況を見ていく。まずはU17W杯でドイツ代表として活躍し、12-13シーズンに加入したMFミッチェル・ヴァイザー。しかしながら加入後は安定した出場機会はなく、今季はついにヘルタ・ベルリンへの完全移籍が決まった。ヴァイザーと同シーズンに加入したMFピエール=エミール・ヘイビエルグ。昨季はローンでアウクスブルクに移籍していたが、今季もシャルケに場所を移して経験を積むことになる。