それと共に2015-16シーズン開幕を前に注目されたのが、ルイス・エンリケ監督の去就だった。昨季途中には選手との確執騒動もあり、これだけの成績を残しながらもエンリケ自身は契約更新についてはっきりと明言してこなかった。
しかしシーズンも終了し6月に入った段階で1年間の契約延長を発表。7月中旬には会長選挙が行われバルトメウ会長も再選を果たした。こうしてバルセロナは久しぶりに監督人事に手こずることなくバルトメウーエンリケ体制を維持し2シーズン目を戦う事が決まった。
移籍禁止処分中の新選手獲得
バルトメウ会長「彼はL・エンリケに頼まれた選手だ。アレイクス・ビダルとA・トゥラン獲得は、14-15シーズン終了前からプライオリティーが置かれていたことだった」Goal.comこの流れと同時期に選手との契約も早い段階でまとまっていく。まずは昨季セビージャに加入し即レギュラーとして活躍し、ヨーロッパリーグ制覇にも大きく貢献したスペイン人のMFアレクセイ・ビダルの獲得。左右サイドバック、サイドハーフをこなせるユーテリティプレーヤーだけにバルセロナでも重宝されることだろう。
続いて去就の決まっていなかったブラジル代表SBダニエウ・アウベスと1年の契約延長に成功。昨季も右サイドバックで替えの効かない選手としてチームに貢献していただけにチームにとっても大きな意味を持つ。
7月に入るとさらなる大物の獲得に動く。トルコ代表MFアルダ・トゥランの獲得である。昨季までアトレティコ・マドリーでリーグ優勝やチャンピオンズリーグ準優勝などチームの躍進を語る上で欠かせない存在だった攻撃的MFをバルセロナが奪い取ることとなり、実力はもちろん、その意味でも大きな補強となった。
新規に獲得したのはこの2選手のみとなったが、Aビダルもアルダも前述した通り公式戦に出場できるのは2016年1月から、つまりシーズン後半戦からということになる。それだけにアウベスと契約契約できたことは補強するのと同じだけ重要なタスクだったと言うわけだ。
バルサ黄金時代の旗手シャビの退団
しかしながら、一方で大きな変化もあった。それがトップチームに17年在籍し、数多くのタイトル獲得に貢献し黄金時代を作り上げてきた元スペイン代表MFシャビ・エルナンデスの退団(カタールのアルサッドへの移籍)である。中盤でパスを捌きゲームを指揮しバルセロナのポゼッションサッカーを支えてきた偉大な選手が去る。これでチームに影響が出ないわけがないが、昨シーズンからベンチスタートも増えておりラキティッチを獲得するなど徐々に移行する準備はできていた。それだけに大きく影響が出るとすれば精神的主柱としての役割の部分ということになるだろうか。
移籍期限終了間際にはスペイン代表FWペドロ・ロドリゲスのチェルシー移籍も決定。13-14シーズンにネイマール、そして14-15シーズンにルイス・スアレスが加入し、徐々に出場機会を減らしていたペドロ。かねてから移籍の噂はあったが、今季リーグ戦開幕前のUEFAスーパーカップではゴールを決め、スペイン・スーパーカップでも2戦とも先発に起用されるなどクラブは残留するよう努めていた。しかしながら結局は移籍の道を選ぶことになったようだ。
ここからはその他の選手の動向を見ていく。セビージャで昨季レギュラーとして活躍し、今季はバルセロナに復帰するという噂もあったスペインU21代表MFデニス・スアレスは結局ビジャレアルへの完全移籍が決定。(今季終了後の買い戻しオプション付きの模様)
昨季から出場機会が少なく移籍の話が出ていたスペイン人SBマルティン・モントーヤはインテルへローン移籍が決定。昨季加入したクロアチア人FWアレン・ハリロビッチもスポルティング・ヒホンにローン移籍が決まっている。
昨季はセビージャへローン移籍していたFWジェラール・デウロフェウは2シーズン前のローン先であったエバートンへ完全移籍し、FWアダマ・トラオレもアストン・ビラへ買い戻しオプション付きながら完全移籍が決定した。
12-13シーズンに加入するもバルセロナのサッカーに馴染めず、昨季はウェスト・ハムにローン移籍していた元カメルーン代表MFアレクサンドル・ソングは、今季も契約延長し同クラブに残ることとなった。同じく11-12シーズンにバルセロナに移籍してからは怪我もありローン移籍を繰り返していたオランダ人MFイブラヒム・アフェライ。今季はついに契約満了となり、ストークへの移籍が決まった。