ベニテス新監督のもとで復権を狙う15-16Rマドリーの移籍状況は?

2015/09/25

ラ・リーガ レアル・マドリー 移籍

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ラファエル・ベニテス「我々は素晴らしい選手たちと厚い選手層を誇っている。だからスタイルの話をするよりも、できるだけ良いプレーを見せて明確なアイデアを示す方が大事だ。このチームは競争的でなければいけない。良いサッカーをして勝つ必要がある」Goal.com
国内リーグは2位、チャンピオンズリーグはベスト4、国内カップはベスト16と無冠に終わった昨シーズン。シーズン終了後にはアンチェロッティ監督を解任し、6月初めにはかねてから噂のあったマドリー出身のラファエル・ベニテスと3年契約結んだ。

ベニテスは昨季まで率いていたナポリをはじめ、チェルシー、インテル、リバプール、バレンシアといったビッグクラブを渡り歩き、チャンピオンズリーグ、そしてリーガのタイトルも取ったことのある監督であり実績は十分。さらにさかのぼれば選手として、また初監督としての仕事もここRマドリーのカスティージャ(Bチーム)という経歴の持ち主でもある。

バレンシアを率いていた01-02シーズン以来の母国凱旋で果たしてどこまで好成績を残せるだろうか。


堅実な補強策とセルヒオ・ラモスら既存戦力の確保

選手補強に目を移せば、今季もクラブの移籍金の記録を塗り替える選手移動があった。それがポルトからRマドリーのDF選手史上最高額となる3150万ユーロ(約43億円)を費やしたブラジル代表右SBのダニーロの獲得である。この契約は既に昨シーズン中の4月に合意がなされており、監督の意向を問わず決まっていた戦力獲得となっている。

続いてシーズン後にはビジャレアルからロシ代表MFデニス・チェリシェフ、ポルトからブラジル人MFカゼミロをローンから呼び戻して戦力に加えると、エスパニョールに完全移籍のオプション付きでローン移籍させていたスペイン人MFルーカス・バスケスにも買い戻しオプションを行使。さらに7月中にはエスパニョールからスペイン人GKキコ・カシージャをこちらも買い取りオプション契約を行使して獲得する。

このようにローンから復帰させた選手の所属先クラブからそれぞれ選手を獲得し、さらには買い取りオプション契約を生かすなどなど手堅い戦力補強が目立ったのが7月中のマドリーの動きだった。


8月も中旬に入り開幕も近づく頃、今夏最後となる選手の獲得が発表される。それがインテルから加入したクロアチア代表MFマテオ・コバチッチの獲得であった。同国籍のMFモドリッチの進言もあり獲得に至ったとされる21歳は、インテル時代から将来性も期待される逸材として注目されていた選手である。

加入選手のネームバリューだけを見れば、大金をはたいてハメス・ロドリゲスとクロースという2014W杯でも活躍したタレントをチームに加入させ昨季と比べると、今季はおとなしい戦力補強だと言えるかもしれない。


しかし、それ以上に大きかったのが既存戦力である右SBダニエル・カルバハル、左SBマルセロ、そしてCBセルヒオ・ラモスと契約延長までこぎつけたことである。最終ラインのレギュラー3人と契約したことはチームに安定感をもたらすはずだ。

特にセルヒオ・ラモスは ペレス会長との確執も取り沙汰され、他クラブへの移籍の噂が大きく報道されていた。それだけに最終的に年俸のアップで2020年までの契約延長を成立させたことは、クラブの現状を維持する上でも大きな契約となった。


ついに守護神カシージャスが去る

一方で、それとは逆にチームを去る選手もいた。それが15シーズンに渡りマドリーのトップチームに在籍してきた、スペイン代表の守護神でもあるGKイケル・カシージャスのポルトへの移籍である。上背こそないものの数々の窮地を救うスーパーセーブを見せビッグタイトルに貢献し、サポーターからはサン・イケル(聖イケル)とも呼ばれたカシージャス。しかい近年は全盛期と比べるとパフォーマンスが落ちてきたこともあり、出場機会は減少していた。結果的に今季のベニテス監督就任をもってペレス会長の政権下では構想外となったため、2017年までの契約を解消して移籍を決断した模様だ。

また、昨季も負傷続きでほぼ出場機会のないまま契約満了となったドイツ代表MFサミ・ケディラとも新たな契約を結ばず、その後ユベントスへの移籍が決定している。マンチェスター・ユナイテッドからローンで加入していたメキシコ代表FWハビエル・エルナンデスも昨季は7ゴールこそ挙げたものの契約延長・完全移籍するまでには至らず、ユナイテッドに戻った後にレバークーゼンへの移籍が決まった。

こうした移籍を7月の早い段階でまとめ上げた後は大きな動きはなかったが、移籍最終日間近の8月末になって3選手を放出する。まずはポルトガル代表左SBファビオ・コエントランがモナコへローン移籍を決めた。昨季は負傷離脱もあり、マルセロとのポジション争いに敗れたことで出場機会を失っており、モナコのSBクルザワがパリSGに移籍したたことで、その後釜として加入することになった形だ。

一昨シーズンからマドリーに加入した元U21スペイン代表MFアシエル・イジャラメンディ。しかしクロース、モドリッチら同ポジションの選手とのレギュラー争いに勝てず、出場機会こそ貰っていたものの、同世代のイスコのようなインパクトのある仕事をすることはできなかった。そのため今季は古巣のレアル・ソシエダへ復帰することが決まっている。

昨季の冬の移籍でクルゼイロから加入したU23ブラジル代表MFのルーカス・シウバ。この若手選手も、同ポジションのイジャラメンディと同じくレギュラーを掴むまでの活躍はできず、経験を積むためにマルセイユへのローン移籍を決断した。欧州最初の移籍がマドリーでかつ、半シーズンで結果を残すのはやはり難しく、無理に残るよりも妥当な判断だといえるだろう。


最後にその他選手の移籍動向を記しておく。昨季プロデビューを飾り、CLではゴールも挙げたスペイン人MFアルバロ・メドランはヘタフェに、同じくマドリー下部組織出身のスペイン人MFディエゴ・ジョレンテはラージョへ。昨季はマジョルカにローン移籍していたU19スペイン代表MFマルコ・アセンシオも今季はエスパニョールへ移り、3選手ともにローンでの移籍が決定している。

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