リーグ連覇を狙う15-16チェルシーの戦力・移籍状況は?

2015/09/03

チェルシー プレミア 移籍

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今週末にいよいよ開幕する2015-16シーズンのプレミアリーグ。そこで今回はチェルシーマンチェスター・シティアーセナルマンチェスター・ユナイテッドの戦力補強状況を8月末の移籍期間終了まで更新しながら分析していきたい。

モウリーニョチェルシー、3年目のチーム組織戦略は?

国内リーグでは3節以降首位をキープし続けて安定した成績を残し、リーグカップとともに2冠を達成した昨シーズンのチェルシー。しかしながら、チャンピオンズリーグではPSG相手に延長戦の末、アウェイゴール差によって敗れベスト16で敗退。ちょうどこの時期にリーグカップの決勝が行なわれたこともあって厳しい戦いになったのは事実だが、国内で強さを示していたこともあってもっと上での戦いが見てみたかった。

そこで今季は、国内リーグ連覇とともにPSGに敗れベスト16に終わったチャンピオンズリーグで好成績を残すことが目標となる。

それを踏まえた上で開幕前の戦力状況を見ていこう。まず既存の選手から見ていくと、昨季の主力メンバーが全員移籍することなく残っているのは大きい。3年目となるジョゼ・モウリーニョ監督は今年も基本的な戦力は大きくは変えず安定感を第一と考えているだ。

昨季の新加入し活躍を見せたプレーメーカーのMFセスク・ファブレスとエースストライカーのFWジエゴ・コスタ、さらにFWレミーの3人は2年目となり、リーグにも更に適応するだろう。もちろん研究されることで相手のマークも厳しくなるだろうが、それを上回る実力は十分にある選手であると個人的には考えている。


チェフ、ドログバ、フェリペ・ルイスの放出。その代役は?

一方でチームを出て行った選手もいる。まず大きな話題となったのは6月下旬に決まった、GKペトル・チェフのアーセナルへの移籍だろう。チェルシー黄金時代を支えてきた守護神のライバルクラブでもあるアーセナルへ移籍。このことで一部のチェルシーサポーターからは非難の声も上がったが、ティボ・クルトワに定位置を奪われ出場機会がない中で、アーセナルというビッグクラブが好待遇で迎えてくれたのだから移籍という選択肢は当然だろう。

7月下旬にはチェフと同じくチェルシー黄金時代にエースとして活躍し、昨季1年契約でチームに復帰したFWディディエ・ドログバが契約を更新せずにモントリオールへの移籍を決めた。翌日には昨季アトレティコ・マドリーから新加入しながらもプレミアリーグに適応できず、出場機会の少なかった左SBフェリペ・ルイスが再びアトレティコに戻ることとなった。

これらの3選手は戦力として出場機会こそあったがレギュラーに入っていた選手ではなく、あくまで代役として昨季のチームを支えていた選手である。 つまりモウリーニョが彼らの代役として誰を迎え入れ戦力を充実させるのか。というのがポイントになる。

そこで7月の初めに決まったのが、マンチェスター・ユナイテッドからレンタルで獲得したFWラダメル・ファルカオである。昨季のファルカオはマンチェスターUに新加入しながらも、長期負傷明けということもあってか本領発揮とはいかず、不本意なシーズンを過ごすことになった。

これに目をつけたのがモウリーニョで「彼にはプレッシャーをかけずに出場機会を与えながら自信を取り戻させる」といった趣旨の発言からも分かる通り、ドログバのようにジエゴ・コスタの控えとしてチームに置くのに最適な選手と考えていることがわかる。

7月中旬には放出したチェフの代役として、ストークからGKアスミル・ベゴビッチを獲得。ベゴビッチについてはモウリーニョも「チェフの後釜には高い質のゴールキーパーを望んでいた。個人的な見解だが、プレミアトップ5のキーパーのうち2名がこのチームにいる。」と語っている通り、ストークで160試合出場と経験を積んできたGKの加入は十分すぎる補強だろう。

プレミアリーグのシーズンが始まり、8月中旬に入って新たに選手を加える。それがアウクスブルクから獲得したSBアブドゥル・ラーマン・ババだ。ガーナ代表でもある彼は、ドイツ2部のグロイター・フュルトで2シーズンを過ごしたあと、昨季1部のアウクスブルクに新加入してすぐさまレギュラーとなりリーグ戦31試合に出場した21歳の若手選手。こうして左SBフェリペ・ルイスの後釜を獲得。今後は左右サイドバックをこなせるアスピリクエタの控えとして起用されていくことになるだろう。

こうして昨季までのチェフ、ドログバ、フェリペ・ルイスに代わる選手の補強を済ませたチェルシー。ここからは戦力の上積みとなる選手の獲得に動く。

まずはバルセロナで出場機会を得られずにいたMFペドロ・ロドリゲスを獲得する。マンチェスター・ユナイテッドへの移籍が噂されていた選手だったが、交渉が長引く感にチェルシーが一気に契約を成立させたようだ。

続いてブラジル、フルミネンセからU20代表にも選ばれているFWケネディを、移籍最終日にはフランスのナントで6シーズンを過ごした高身長CBパピ・ジロボジを獲得し今夏の移籍を終了させた。

気になるところは、戦力維持が基本とは言っていたもののいつものチェルシーような戦力の増強が今年はなかったというところだろうか。特に近年の課題でもあるベテランCBのジョン・テリーの後継者問題。これをクリアできる存在として期待されていたエバートンのCBジョン・ストーンズと交渉は何度も報じられていたが、結局獲得までたどり着くことはできなかった。



最後にその他選手の移籍情報を簡単に書いておく。まずは完全移籍が決まった3選手から。18歳でプレミアデビューしたMFガエル・カクタだが、その後はローン移籍を繰り返し今季ついにセビージャへ移籍することとなった。17歳でデビューしたMFジョシュ・マクイクランもブレントフォードへの移籍が決定。彼らと同じくローン移籍を繰り返したMFオリオル・ロメウもサウサンプトンへの移籍が決まった。

残りはローン移籍が決まった主な選手達。ガーナ代表でアフリカネイションズカップでMVPにも輝いたFWクリスティアン・アツはプレミア昇格組のボーンマスに。昨季ミランにレンタル移籍していたMFマルコ・ファン・ヒンケルはストークへ。昨季途中にフィオレンティーナに移籍し好成績を挙げたMFモハメド・サラーは、同じセリエAのローマへの移籍が決定している。 昨冬に加入したものの出場機会の得られていなかったMFフアン・クアドラードも最終日にユベントスへの移籍が決まった

MFマルコ・マリンはトラブゾンスポルMFルーカス・ピアソンはレディングMFビクター・モーゼスはウェスト・ハム、MFナサニエル・チャロバーはナポリへと昨季からのローン組も再び別クラブへ貸し出されることになった。

(夏の移籍市場終了まで随時更新予定)

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