コロンビア
ペルー戦後
「3年にわたって見事なレベルでプレーしてきたチームを酷評することはできない。今日の我々は勝つために十分なことをやった。だが、勝てなかった」
「我々は相手にプレスをかけ、勝利に向けた姿勢を見せていた。残念ながら、選手がケガをしてしまい、それがチームの組織にとって痛手となった」
「我々は勝つために大きな努力をしている。何とか勝とうとした。だが、目標を達成できないときもあるんだ」
ベネズエラとの初戦で黒星スタートとなり、迎えたブラジル相手には1-0で勝利。ペルーとの最終戦では点が決めきれずスコアレスドローに終わり、よもやGL敗退の可能性もあったものの、その後のブラジルvペルーの結果により3位での決勝トーナメント進出を決めたコロンビア。
今大会はベスト8に食い込んだ14W杯のメンバーを基本に、CBにはムリージョ(グラナダ)、大会前負傷者の続出したボランチにはエドウィン・バレンシア(サントス)を3試合全てで先発出場させ世代交代と修正を図ってきた。しかしながらここまで3試合で1ゴールと思ったほどチームはうまく機能していないように見える。その要因と考えられるのが、ここまで低調なプレーぶりが目立つキャプテンであるファルカオの存在だろうか。
日本がW杯でもやられたように、本来堅守速攻を武器とするコロンビアだけに支配率やシュート数は他国と比べても抜きん出て多いわけではない 。それだけにFWの決定力の高さがより重要になってくるわけで、その点においてファルカオ、バッカ、ジャクソン・マルティネスら欧州でも活躍するストライカーが勝負を決めてきたのがこの国の特徴だった。
しかし今大会ではそのエースが輝けない。そもそもファルカオは14W杯を前に重症を負い、結局回復は間に合わず出場することができなかったという経緯がある。その後もマンチェスターUに移籍したもののフィットせずに出番を失っていた。
そんな中で始まったコパ・アメリカだったが、結局のところ負傷前のパフォーマンスを見せることはできていない。さらにファルカオの不調に追い打ちを掛けるように、コンビを組んでいたバッカまでもがブラジル戦の試合終了後にネイマールと騒ぎを起こし2試合の出場停止処分を食らってしまった。
その他の選手を見ても、ファルカオと同じくチェルシーに移籍したものの出番を失ったグアルダードは個人でドリブル突破を試みるシーンはあるものの、ワンパターンのため相手に簡単にボールを奪われるシーンが多い。
こうなると14W杯の得点王であり、14-15シーズン、Rマドリーに移籍し活躍たハメス・ロドリゲスに頼らざるを得ないのが実際のところであり、よりマークの厳しくなる中で一人気を吐いているのが現状だ。ベネズエラ戦でも、ペルー戦でも一番シュートを打ったのはこの男だった。
アルゼンチン戦ではこれに加え、中盤で激しく相手に体をぶつけ自由にさせなかったカルロス・サンチェスが累積警告で出場停止となる。さらにエドウィン・バレンシアも負傷し大会を離脱。ボランチの2枚は代役を立てなければいけなくなってしまった。
コロンビアに可能性があるとすれば、ブラジル戦で見せたような集中力の高い中盤からのプレッシングと自陣での粘りの守備で対応し続け、奪ってからは前線への素早い縦パスを繰り返しFWが決めてくれるのを耐えることだろうか。それこそファルカオがここで決めるようなことがあればチームの士気も高まり調子が上る可能性もあるが果たして。
グループリーグ戦績