前回までに紹介したコパ・アメリカ・センテナリオ、グリープAの紹介に続き、今回からはブラジル、エクアドル、ハイチ、ペルーの組み合わせとなった、グループBのブラジルを紹介する。
W杯南米予選6節(全18節)終了時点:6位(全10ヵ国)
2014年W杯では地元開催ながら準決勝でドイツに大敗を喫し、2015年コパ・アメリカでもベスト8で敗退。その後のW杯予選でも苦しむなど、サッカー王国ブラジルは近年その強さを見せられずにいる。今大会も引き続きドゥンガ監督体制で挑むことになるが、再び輝きを取り戻すことはできるだろうか。
ドグラス・コスタら多くの負傷者を出し、トラブル続きのセレソン
15年コパ・アメリカからのメンバーは10名入ったが、14年W杯からのメンバーは4名と大きく様変わりしたブラジル。五輪に専念するネイマールが出場しないことがあらかじめ発表されていたが、マルセロ、チアゴ・シウバ、ダビド・ルイスらが40名の候補メンバーからも外れたのは驚きだった。
さらにドグラス・コスタやその代役として呼ばれたカカも離脱するなど、多くの負傷者を出し厳しい状態にあるセレソン。それでも代役がいるのは流石だが、その能力をチームとして発揮できるかどうかは未知数。大会が始まらなければどういった布陣で臨むのかはわからない状況となっている。
■GK
現在の代表レギュラーであるアリソンや、去年のコパは負傷で選出されなかったバレンシアのジエゴ・アウベス(今季リーグ戦13試合出場)が選出された。ベンフィカのエデルソン(10試合)は負傷のため大会前に離脱し、マルセロ・グロイが追加招集されている。■DF
バルセロナの右SBダニエウ・アウベス(29試合)、インテルのCBミランダ(32試合1G) 、アトレティコのCBフェリペ・ルイス(32試合1G)、パリSGのCBマルキーニョス(29試合1G)、モナコの右SBファビーニョ(34試合6G)といった有名選手は前回大会に続き選ばれた。また、最近は先発機会も多い山東魯能のジウも選出されている。その他、ロドリゴ・カイオ、ドウグラス・サントス、ウォラスといった国内選手を含め23歳以下の若手が5人も入る構成となった。
一方でレアル・マドリーの左SBマルセロ(30試合2G)はドゥンガ監督が「規律を守れない」ことを理由に選ばず。さらにレアル・マドリーの右SBダニーロ(24試合2G)も負傷のため候補にも選出されなかった。この2人は15年コパでも負傷のため大会に参加しておらず、連続で不出場となった。また、ユベントスのアレックス・サンドロ(22試合2G) は代表候補リスト止まりとなった。
■MF
チェルシーのウィリアン(35試合5G)、リバプールのコウチーニョ(26試合8G)、レアル・マドリーのカゼミーロ(23試合1G)、エリアスらは15年コパメンバーから継続して選出された。
しかしバイエルンのドウグラス・コスタ(27試合4G)、ラフィーニャ(6試合1G)、ルイス・グスタボ(22試合1G)らが相次いで大会前に負傷し、離脱が決定。さらには追加招集されたカカも負傷離脱するなど多くのアクシデントに見舞われた。
彼らの代役としてパリSGのルーカス・モウラ(36試合9G)、そしてサンパウロのガンソが4年ぶりに代表に招集されている。また、マンチェスター・シティのフェルナンジーニョ(33試合2G)、チェルシーのオスカール(27試合3G)は代表候補リスト止まりとなった。
■FW
エースでキャプテンのネイマールはこの大会とリオ五輪の双方の出場を希望したが、バルセロナとの交渉の末、五輪に専念することが決定。そこで選ばれたのはフッキ、リカルド・オリベイラ、ガブリエウ・バルボーザという3選手だった。
フッキは14年W杯メンバーではあるが15年コパには選出されなかったが、その後は再び代表入りしていた。ベテランのリカルド・オリベイラと新たなるスター選手として期待されるガブリエウ・バルボーザはどちらもサントスの選手であり、36歳の19歳という組み合わせでの選出となった。
しかしながら、ここでもオリベイラが負傷離脱を余儀なくされる。これを受け、今季CLベスト8入りにも貢献したベンフィカのジョナス(34試合31G)が追加招集されている。また、リバプールのロベルト・フィルミーノ(31試合10G)は代表候補リスト止まりとなった。
コパアメリカ2016 ブラジル代表の日程
■親善試合
5/29 2-0 パナマ 得点:ジョナス、ガブリエル・バルボーザ
■本大会(グループステージ)
①6/05 0-0 エクアドル
②6/09 7-1 ハイチ
得点:コウチーニョ 3、レナト・アウグスト 2、ルーカス・リマ、ガブリエウ・バルボーザ
③6/13 0-1 ペルー
※1勝1分1敗の3位でGS敗退が決定